2016年3月8日火曜日

大豆のお話【第6回】

ブログの閲覧ありがとうございます。院長の川端和女です。本日は、エクオールと大豆イソフラボンの話題です。




<大豆イソフラボンは効くのか?>

大豆に含まれる大豆イソフラボンが、女性ホルモンの働きをするといわれています。しかし、大豆イソフラボンを摂取していても、効果がとてもある方と、あまりない方がいらっしゃいます。これはいったいなぜでしょうか?

<近年の研究で明らかとなった知見 -エクオール->

 最近の研究でわかってきたことは、大豆イソフラボンそのものに女性ホルモン作用があるのではない、とわかってきました。大豆イソフラボンの代謝産物であるダイゼインが、さらに腸内の特別な乳酸菌(ラクトコッカス20-92)によってエクオールという物質に変化し、このエクオールが女性ホルモンのエストロゲンと似た化学構造を持ち、エストロゲンの1/1000~1/100の活性を持つといわれています。

 ところが、腸内でこの特別な乳酸菌でエクオールを作れる人と作れない人がいるのです。大豆を昔からよく食べる日本人では中年女性で50%といわれています。ところが欧米人では30%足らずというところです。更に、食事が欧米化してきた日本の若い女性では20%くらいに減ってきているとのデータがあります。

 したがって、中年女性でもいくら頑張って大豆製品やイソフラボンを摂取しても、腸内のプロバイオティクスによっては半分の人は女性ホルモン環境改善になりません。しかしエクオールを作れる人ではエストロゲン作用があるため、更年期での様々な症状や、骨塩量の減少が抑えられるといわれています。またうれしいことに、加齢によるしわやたるみも改善されるという報告があります。ただし、重要なのは、エクオールは体内でエストロゲンが少なくなってきた人に、効果があるということです。エストロゲンがたくさん作られる若い人は摂取しても、エストロゲンが足りているので逆に拮抗作用があります。

<エクオールをとるには?>

女性の更年期障害について、前にブログ(第四回)でHRTというホルモン補充療法をご紹介しましたが、乳がん術後、脳血管障害、血栓症などの既往のある人、また、60歳を超えて使いたいと思っても使えない方には、代替療法として、このエクオールが期待されます。大塚製薬株式会社からエクオール補充のため、大豆胚芽とエクオールを作ることのできる乳酸菌を含有したエクエルが注目されています。効果に期待したいですね。本院でもお買い求めいただけます。

 ちなみに、私共のクリニックのスタッフも更年期卒業派が主流です(笑)。ということで、最近エクエルをとってみています。私どもの実感としては、何となく肌の調子が良くなってきている気がします。(まあプラセボ効果かもしれませんが)

<最後に>

どうぞ、更年期症状で悩んでおられる方は、産婦人科に相談してみてください。もちろん当院でも相談してただけます。最後までお読みいただきありがとうございました。


川端和女

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