2016年3月2日水曜日

更年期障害について【第4回】

ブログの閲覧ありがとうございます。院長の川端和女です。本日は、更年期障害の話題です。一般の方には、更年期障害について知っているようで、実はよくわからない人が多いかもしれません。そこで、更年期障害の一般的な説明とその症状、そして対策について説明したいと思います

<こんなこと言われたことありませんか?>

 例えば、30代後半になってくると、体調不良やイライラしていることがあると、「女の人は周りから更年期じゃないの?」などと言われたりします。例えば、婦人科医ではないドクターにもいわれたりすることもあります。やんわりと、「女性ホルモンの関係でしょう」などと説明されたりします。これは全て、更年期障害なのでしょうか?


 <更年期と更年期障害って何?> よくある勘違い...

 そもそも、更年期は、「卵巣そのものが、いよいよ女性ホルモンを出さなくなり、急激に血中の女性ホルモンレベルが下がってしまうこと」、そして「更年期の急激な変化のためにおこる体調不良のこと」を更年期障害といいます。
 したがって更年期そしてその時期の嵐のような体調不良は、30代のそれとは全く別物なのです。最近テレビなどで、「若年性更年期障害」などと言って、更年期障害とは全く関係のない「卵巣機能不全」を混同して報道されていることがあります。混同しないようにお気をつけください。



 <更年期障害は辛いもの...>

 更年期障害の症状は嵐のようにやってきますし、女性にとってもそれは初めての経験なので、とてもつらく、しんどいことです。ただ、嵐のようにと言ったように、必ず通り過ぎるものです全く症状のないラッキーな方もいる一方、とても長い間悩まされる場合もありますが、一過性のものです。ただこの時期は、女性にとって、とても大変な時期と重なってきます。親の介護がはいいてくる方もいるでしょう。お子さんが大学受験、あるいはいよいよ巣立ち、独立していってしまうこともあるでしょう。ご主人が、お仕事上最後の多忙時期にはいっていって、内助の功がますます必要になってくる場合もあるでしょう。更に最近では、女性管理職あるいは何かしらのリーダーである方も増えてきました。その時に更年期障害があると、パフォーマンスが著しく下がってしまいます。イライラがひどいと、時にはリーダーとしての資質を疑われたり、元気が出ないと作業効率が下がってくるかもしれません。そんな自分にますますイライラしたり、気分がひどく落ち込んでしまいます。

 <更年期障害の症状>

 では、更年期障害ではどんな症状が出てくるのでしょうか。まず、いよいよ月経がなくなり、閉経と考えるのは1年間月経がなくなったときです。その前に月経周期が不順になってきます。人によって違いますが、46歳くらいから55歳くらい、平均50から51歳くらいで起こってきます。珍しいのですが、人によってはとても若く、もっと早い時期に閉経になってしまう場合もあり、早発閉経と言われます。でもこれはとても珍しいものです。テレビなどで言われている、若年性云々のほとんどが、単なる卵巣機能不全、即ち卵巣自体が働かなくなって女性ホルモンが出なくなるのではなく、別の理由で、脳から卵巣に指令が出て女性ホルモンを分泌することが上手くいかずおこる月経不順です。
 この更年期にどんな不調が起こるかというと、まず、ホットフラッシュといわれるのぼせやほてり、汗をかきやすいという症状のほか、寝つきが悪かったり、眠りが浅い症状、ライラする一方で、憂鬱でやる気が出なくなったりくよくよする、心臓に異常がないのに動悸がしたり、めまいがしたり、さらにのどがふさがったようなかんじがでたり、頭痛や肩こりがひどくなったり、さらにのぼせているはずなのに、手足が冷えてたりしびれたりするなど、数々の体調不良が出てきますいずれも自分はとてもつらいのですが、検査してもどこもとりたてて悪いところはないというのが更年期障害ですご自身はとてもつらいのですが、一過性のものであり、入院や生命に危険があるものではありません。

 こんな更年期の異常を乗り切るために、強い味方があります。それがHRTというホルモン補充療法や、漢方治療です。


 <更年期障害への対策①> 

 HRTは、簡単に言えば、急激に減少していく女性ホルモンを補充して、ソフトランディングで、閉経に向かおうとする治療になります。一時期、アメリカでのデータで、副作用の乳癌や心血管系の異常が騒がれた時がありますが、女性ホルモンを過剰に摂取するわけではなく、急激な女性ホルモンの減少をゆっくりにする目的で使われるものです上手に使って、重い更年期障害を和らげることは、多忙な更年期世代の毎日の生活の質を向上する意義があります。また、女性ホルモンが出ている間は、女性は男性に比べて、動脈硬化や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病において、頻度が少ないのに、閉経以後、一挙にその頻度が高くなるといわれています。また、ダノンビオのコマーシャルでも知られているように50才を過ぎると、骨塩量が急に減少するのは、閉経後の女性ホルモンの減少に関連しています。HRTはこのような閉経後の脂質代謝や糖代謝、骨塩量に良い影響を与えます。産婦人科の先生に相談してみてはどうでしょうか。


 <更年期障害への対策②>

 また、漢方治療という方法もあります。漢方治療は、マイルドな効き目だろうと思っておられる方もいらっしゃいますが、効果のある方には、劇的にいろいろな症状が消えてしまうことがありますHRTとはまた一味ちがうお薬です。これもまた試してみる価値があります。

 どうぞ、更年期症状で悩んでおられる方は、産婦人科に相談してみてください。もちろん当院でも相談してただけます。最後までお読みいただきありがとうございました。

川端和女

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